こんにちは。華iroです。
今回は地域包括支援センターであった相談事例です。
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この記事は、実体験を基に作成していますが、個人の特定がされることのないよう一部フィクションを交えています。
part3は、結果的に虐待ではなかったのですが、虐待疑いをかけられてしまった家族のお話です。
まさか…虐待?
初めての相談は要介護2で認知症があるおばあちゃん(仮にAさんとします)を担当する居宅のケアマネジャーからでした。

虐待疑いの家族がいるので、一緒に関わってもらいたい
本当に虐待なら緊急案件なので、すぐに詳しく話を聞くことになりました。
ケアマネジャーの話
Aさんは息子さん(仮にBさんとします)と2人暮らし。
Bさんは身体に障害があるため、家でも車椅子で生活していました。
Aさんがホームヘルパーとデイサービスを利用しながら、家事や食事の準備などはBさんがしていました。
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事の発端はAさんが通うデイサービス。
Aさんがデイサービスの職員に



今朝、息子に怒られて叩かれた
と話されたそうです。
デイサービスの職員が、すぐびケアマネジャーに報告した所、地域包括支援センターにも相談しておいた方が良いということでした。
ケアマネジャーの話では…
- Aさんは怒られた理由はわからない。でも叩かれたと言っている。
- Aさんはデイサービスでお風呂に入っているが、その日に介助した職員によると、どこも痣などはできていなかった。
- AさんとBさんは元々あまり仲は良くない。でも、今まで手を上げたような話は聞いたことがない。
- Bさんは家で仕事をしている。
- 家もヘルパーさんを利用しつつ、綺麗にしている。家事はBさんがされている。
- 食事を貰えていないなど、ネグレクトの疑いは今のところない。
- たまにBさんから、食事を出しても文句を言う、「危ないから台所に入らないように」と言っても入ろうとする、などの愚痴はよく聞く。
- Aさんは徐々に認知症が進行していて、ケアマネジャーは施設も考えた方が良いのではと思っている。
とのことでした。
緊急対応が必要かどうか、早速センター内でも協議をすることに…
職員の一言に…
ここまでの話を聞いたところで、率直な私の感想としては



Bさん頑張っているなぁ
というものでした。
5体満足でも、仕事をしながら介護するのは大変です。
それを車椅子でしているのですから、単純に凄いと思いました。
しかし、家で介護し続けることは大変なこと。
もし虐待が本当であれば、Aさんの安全を確保しなければなりません。
何度か施設の話もケアマネジャーは出したようですが、Bさんが拒否しているとのこと。
その話が出た時、センターのケアマネジャーが言った一言が今でも忘れられません…



施設に入れないのはお金でしょ。早くAさんとBさんを離すべき!
え…ええぇ~…



いやいやいや!そうかもしれないけど、ここまで頑張ってきたBさんに対してそれは…
言葉が出ませんでした。
ちなみにこのケアマネジャーは、普段からとても仕事に熱いケアマネジャーです。
利用者さんたちの話も親身に聞いていますし、経験もあります。
なので、本人のことを思ってのことだろうとは思います。
勿論虐待はいけません。どんな理由があれ、してはいけないことです。
しかし、そこまで追い詰められる何かがあったのでは?
Aさんの話しか聞いてないこの段階で、その発言はちょっと…と思ったのです。
真相
結局、まだBさんから話を聞いていない段階だったので、ケアマネジャーが定期訪問を兼ねて、Bさんと話をすることに。
すると、思わぬ事実が判明しました。
実はその日の朝、Bさんがやかんでお湯を沸かしていた時にAさんが台所に入ってきたそうです。



危ないから出ていて
と言おうとすると、Aさんがやかんを触ろうとしました。



危ない!
と咄嗟に手を叩いてしまったそうです。
そして



危ないからダメだって言っただろう!
と、声を荒げてしまったとのことでした。
Bさんも申し訳なく思っていたようで、ケアマネジャーが聞く前に、昨日こんなことがあったと話してきたそうです。
何度も言っているのに聞いてくれない。危なかったので口より先に手が出た。その後もつい強く言ってしまったと。



いや、これで虐待だったら私なんかしょっちゅう怒鳴ってるよ…
勿論嘘をついているという可能性もなくはないですが、外傷もないため、今回は様子を見守るということに。
また、今後Aさんだけでなく、Bさんのメンタルケアも必要だ。ということで、相談機関に繋ぐことで解決ということになりました。
まとめ
いかがでしたか?
上記でも言いましたが、虐待は絶対にあってはならないことです。
今回は虐待とまでは言い切れませんでしたが、Bさんが、精神的にキツイ思いをしていたことは事実です。
もしAさんが本当に虐待を受けるようになってしまったら…
そのためにも、ケアマネジャーは家族との信頼関係をしっかり作っておく必要があります。
これが当たり前のようで、難しい。
そして、誰も介入しないのは一番危険です。
定期的に関わる人がいれば、何かしら変化があった時に気づくことができます。
今回はケアマネジャー、デイサービス、ヘルパーと介護サービスが入っていたことで悪化を防ぐことができたとも言えます。
「誰でも良い、助けてほしい」
もしかしたら、Bさんは言葉の端々にSOSを出していたのかもしれません。
そのSOSをいち早く察知して、介入することが医療職・介護職としてとても重要であること。
介護者を孤独にしないようにすることが大事だなと改めて思った事例でした。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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