地域包括支援センターってどんな相談がくるの?実際の相談事例

地域包括支援センターの相談事例

こんにちは。華iroです。

今回は地域包括支援センターであった実際の相談事例をご紹介したいと思います。

地域包括支援センターの詳しい記事はこちら☟

この記事は実体験を基に作成していますが、個人の特定がされることのないよう一部フィクションを交えています。

part1は、隣家の犬に餌をあげるおじいちゃん(仮にAさんとします)のお話です。

目次

奥さんが他界されてから…

Aさんは、一軒家にご夫婦で暮らしていましたが、半年前に奥さんが他界。
子供たちは遠方で、本人は一人暮らしをしていました。

ご相談に来られたのは、隣に住んでいるご夫婦(仮にBさんとします)でした。

内容は、Aさんの奥さんが他界してからしばらくして、Aさんが勝手に自分たちの家の庭に入り、犬に餌をやりだして困っているというものでした。

何度も本人にやめて欲しいと言ったが、どうも自分たちのことを誰かと勘違いしているようで、不思議そうな顔をして帰っていく。
そして、また次の日には何もなかったかのように来るからおかしいとのことでした。

一通り話を聞き、とりあえずご本人に話を聞きに行くことになりました。

話が嚙み合わない

いつも同じ時間に来るとのことなので、時間帯を見計らい、Bさん宅に入るところで声をかけることに(いきなり訪問すると警戒される可能性が高いため)。

華iro

こんにちは、良いお天気ですね~お出かけですか?

Aさん

うん、お隣の家の犬におやつをあげに行くんだ。
お隣の家の犬は、元々私が飼っていた犬の子犬をあげたんだ。だから昔からおやつだけは私があげに行っているんだよ

華iro

昔???Bさんは引っ越してきてそんなに経ってないはず…

華iro

そうなんですね〜いつ頃からお隣に行かれてるんですか?

Aさん

もう10年になるかな。大きくなったよなぁ〇〇(犬の名前)も

うーん、何かがおかしい…

庭先でお話していましたが、家の窓をチラっと見ると…

華iro

汚い!

ゴミ屋敷とまではいかないまでも、明らかに掃除されていない感じで、テーブルの上に何かが散乱している…

華iro

今はお一人で暮らしてるんですか?

Aさん

妻と二人だよ

華iro

ん???奥様は亡くなられたって…

華iro

そうですか、奥様も一緒に行かれるんですか?

Aさん

いや、今は買い物に行っているよ

あぁ…これは…と思い、しばらく話していると…

Aさん

そういえば、洗濯物を干すのを忘れていたよ。ごめんね、じゃあ

と言ってAさんはまた自分の家に帰っていきました。

その後、そのままBさん宅を訪問し、上記のやり取りを伝えました。

案の定犬を貰ったという事実はなく(引っ越してきて3年しか経っていないのであり得ない)、このままではいけないということになり、いったん帰って他の職員に相談することに。

センター内で話し合い

帰ってすぐいる職員で話し合いをすると、Aさんとのやり取りから認知症の疑いがあり、さらに家も汚かったこともあったので、日常生活に支障が出ているのではという結論に。

その後資料を調べると、2年程前に相談履歴があり、半年前に他界された奥さんが介護保険を利用していたことがわかりました。

当時担当していたケアマネジャーさんの記載もあったため、連絡をとり話を聞くことに。

ケアマネジャーについての記事はこちら☟

以前のAさん

話を聞くと、奥さんは最後病院で亡くなられたが、家で生活していた頃は、Aさんが家事をほとんどしていて、熱心に面倒みられていた。とてもしっかりしていた方だったと。

犬は確かに飼っていて、Bさん夫婦が引っ越してくる前にいた家族に譲っていた。

毎日決まった時間におやつをあげにいくのが日課になっていたが、その家族が引っ越して、Bさん夫婦が来てからはもちろん行っていなかったとのことだった。

今の現状を伝えるととても驚いており、様子を見に行ってみると言われました。

そして、しばらくしてケアマネジャーさんから連絡が。

ケアマネジャー

Aさん私のこともすっかり忘れてるみたいでした…

これは結構ショックなんですよね。しょうがないんですけど…

その後、ケアマネジャーさんからAさんの家族に連絡を取ってもらうようにお願いし、地域包括支援センターに連絡してもらえるよう伝えてもらいました。

しばらくして、息子さんから連絡がありました。

ケアマネジャーさんが実際見てきた様子も伝えていたようで、早めに様子を見に行くとのことだったので、良ければその時にお話しをしたい旨を伝えました。

息子さん来所

2日後、息子さんが来られ、詳しく話をしました。

息子さん

仕事が忙しくしばらく帰っていなかったが、明らかに以前と言動が違う
昨日は母さんが今も生きているように言っていたので、亡くなったことを伝えると「そうだったな」とショックを受けていた。
でも今日の朝はまたケロっとしていて…

お隣とも面識があられたようで、早々に謝りに行かれたとのことでした。

Aさんは、部屋は散らかってはいるが、お風呂は自分で入っているとのこと。足腰はしっかりしているので買い物も歩いて行っている食事はしっかり摂れているようだが、お金の支払いがしっかりできているかは少し心配

自分はこっちに帰ってきて一緒に住むことはできないので、ヘルパーさんに安否確認を兼ねて週に何度か掃除に来てもらいたい。デイサービスも何回か行ければ安心との希望を話されました。

その場で介護保険の申請を希望されましたが、なんとAさんかかりつけの病院がないとのこと。

なぜかかりつけがないと駄目かはこちら☟

今まで大した病気もしたことがなかったので、風邪を引いた時に近くのクリニックに行くぐらいだったそう。

うーん、困った。。。そこのクリニックは認知症の専門じゃないし…と思っていたら、なんと奥様が入院されていた病院がそこそこ大きい病院で紹介状もいらないところ。

しかも脳外科もある!ということで、なんとかそこを受診してもらえないか息子さんに相談。

本人と話してみるとのことで、その場は帰られました。

病院受診

次の日息子さんから再度電話。なんと今病院にいると!

息子さん

本人も忘れっぽくなったって言ったから、自分が今日しか時間がないって言って連れてきました

なんと対応の早い息子さん…(感謝)。ということで結果を待つことになりました。

結果はアルツハイマー型認知症。内服薬が出たとのことでした。

飲めるか心配なので、しばらくは朝同じ時間に電話して電話しながら飲んでもらうと。

同時に介護保険の申請を行うことに。

相変わらずBさんの家に行っていたAさんでしたが、息子さんがBさんに事情を話したことで、しばらくは安否確認の意味も含めて大目にみてくれるとのことでした(Bさん夫婦優しすぎる)。

そして結果は要介護1。結構認知症の症状が進んでいたようです。

要介護ということで、息子さんの希望もあり奥さんの担当だったケアマネジャーさんにお願いすることに。

快く引き受けて下さいました。

そしてその後は、ヘルパーに週3回来てもらい、デイサービスに週3回行くことに。
月に2、3回は息子さんも様子を見に来ることになりました。

Bさん宅に行くこともなくなり、デイサービスではお友達ができたようで楽しく行かれているそう。

まとめ

いかがでしたか?このように、近所の方からの以前と何か違う…という情報はとても貴重です。

Aさんは奥さんを亡くされてから一人になり、奥さんの面倒を看るという役もなくなり寂しい思いをしていたのでしょう。

認知症も発症していまい、もっと発見が遅れていたら自宅で生活ができなくなっていたかもしれません。

今回は息子さんも早々に対応してくれたことで、早く介護保険の利用に繋げることができました。

また、かかりつけ医はなかったものの、本人の受け入れが良かったことも幸いでした。

このように、認知症の方も適切なサービスに繋げることで自宅で一人暮らしができる場合もあります。

少しでも疑問に思うことがあればまず相談してみて下さい。

次回は反対に、中々サービスに繋がらなかった例をご紹介します。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

地域包括支援センターの相談事例

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアをお願いします
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次