専門職の集まり!これで地域包括支援センターの役割と業務がわかる

地域包括支援センターの役割

こんにちは。華iroです。

介護保険の説明や高齢者のことになると必ずと言っていい程出てくる「地域包括支援センター」。聞いたことはあっても、実際に何をしているのか?

介護の仕事をしている、もしくは介護保険の利用をしたことがあるという方以外は知らない方が多いかもしれません。

しかし、地域包括支援センターは地域にとってとても重要な役割をしているんです。

今回はそんな地域包括支援センターの内容をわかりやすく紹介したいと思います。

目次

地域包括支援センターって?

長い名前ですよね。実は地域によっては覚えやすい名前に変えられていることがあります。

高齢者あんしんセンター、高齢者支援センターなどと呼ばれています。

地域包括支援センターは全国にあり、大体は小学校や中学校の校区2つか3つごとに担当が割り振られています。

市町村直営のところと、市から委託を受けているところ(医療法人が主)がありますが、内容に大きな変わりはありません

何をしているところなの?

地域包括ケアシステムの拠点

ざっくり言うと、いくつになっても地域で住み続けられれようにみんなでサポートしましょう。そのために環境づくりをしてね。と自治体に言われて設置された場所です。

今の日本は超高齢少子化社会です。特に団塊の世代が75歳以上になる頃にはもう高齢者だらけになります(2025年問題)。

そうなると、仮に全員が病院に入院したい、施設に入りたいと言っても無理なんですよね。

だって高齢者は増えて子供は減ってるから、人もお金も足りませんもの。

そのため国は、なるべく地域で助け合って家で生活できるようにしましょうというシステムを作ることにしました。

それが地域包括ケアシステムです。

私情ですが、この地域包括ケアシステムがより家族への負担悪化の原因だなと思います。

華iro

しょうがないのはわかるんですけどね…

ちなみにこの地域包括ケアシステムを主に担うために、新たに生活支援コーディネーター(地域支え合い推進員)という役割が平成27年より追加されました。

総合相談業務

一言でいうと、地域包括支援センターは高齢者の総合相談窓口です。

介護保険に限らず、地域で暮らす高齢者の様々な相談を受け付けています。

極端な話、ご近所トラブルのようなものまで対象が高齢者であれば受付ます(実際聞くと、それは管理会社に言った方が…ということも多々ある)。

ちなみに相談は無料で何度でも可能です。

介護保険の申請代行、基本チェックリストの作成

その名の通り、介護保険の申請代行をしてもらえます。

自分で市区町村の窓口に行っても申請は可能ですが、何か相談事がある場合や、申請に悩んでいる場合は地域包括支援センターで相談すると、その場で申請してもらえます。

介護保険の詳しい記事はこちら☟

基本チェックリストで該当者になった場合は、事業対象者として、デイサービスかホームヘルパー(総合事業)の利用が可能となります。

総合事業の詳しい記事はこちら☟

その他主な3つの業務

上記の地域包括ケアシステムの推進と、総合相談の他

  • 介護予防ケアマネジメント(保健師
  • 包括的・継続的ケアマネジメント支援(主任ケアマネジャー
  • 権利擁護(社会福祉士

が主な業務となります。

専門職の集まり

上記の業務内容の横に書いてあるように、地域包括支援センターにはいわゆる専門職が配置されています。

保健師または看護師

保健師は、介護予防ケアマネジメントが主な業務です。

介護予防ってなに?

介護予防とは、要介護状態にならないようにしましょうということです。

要するに、いつまでも元気でいられるようにしましょうという意味ですね。

要介護状態にならないように、地域の介護予防教室の支援をしたり、医療や看護など健康に関する相談等も主に受けることになります。

また、事業対象者・要支援1.2の方の介護予防ケアプラン(介護保険でサービスを受けるために必要な計画書のこと)の作成を行います。

地域包括支援センターでは、介護予防ケアプランはほぼ全職員が作成・担当しますので、保健師のみではありません。

主任ケアマネジャー

主任ケアマネジャーは、ケアマネジャー(介護支援専門員)のスペシャリストです。包括的・継続的ケアマネジメント支援が主な業務になります。

包括的・継続的ケアマネジメント支援ってなに?

包括的・継続的ケアマネジメントとは、地域のケアマネジャーとの連携やサポート、地域の方たちの困りごとに関する会議(地域ケア会議)などをを開催しています。

地域ケア会議ってなに?

地域ケア会議とは、個別型自立支援型があり、医師や薬剤師、地域の方や民生委員なども参加することがあります。

個別型は上記のように地域の困りごとなど臨時的に開かれるもの、自立支援型はケアマネジャーが事例を出して、より良い計画作成ができるよう会議メンバーで話し合います。

ちなみに、主任ケアマネジャーは他のケアマネジャーの育成や指導のほか、地域の介護事業所や病院とのネットワーク構築(多職種連携)も主な業務です。

ケアマネジャーの詳しい記事はこちら☟

社会福祉士

社会福祉士は権利擁護が主な業務です。

権利擁護ってなに?

権利擁護とは、詐欺被害消費者被害などの相談受付・支援(地域の集まりとかに行って注意喚起をするなど)、成年後見制度に関する相談受付・支援、高齢者虐待への対応などが挙げられます。

成年後見制度ってなに?

成年後見制度とは、認知症により判断能力が低下し、金銭管理などができなくなった方のためにある制度です。

後見人をつけることで、本人の代わりに公的な代行ができるようになります。(本人の認知度によって任意や補佐などいくつか種類があります)

生活支援コーディネーター

生活支援コーディネーターは上記にあるように、地域包括ケアシステムを主に担う職種で特に資格があるわけではありません。

地域全体でささえあう仕組みづくりを行うための体制づくりや、ネットワークの構築(協議体の設置)をしています。

協議体ってなに?

協議体とは、市町村が主体となり、地域の介護事業所、社会福祉協議会、自治会、民生委員などが参加し、みんなで定期的な情報交換やみんなが住みやすい町づくりのために、何をしていけば良いかなどを話し合う場のことを言います。

居宅介護支援事業所との違い

同じように介護保険のケアプラン作成を行う場所ですが、大きな違いがあります。

それは居宅介護支援事業所は基本的には要介護1~5のケアプラン作成を行う場所ということです。(地域包括支援センターは要介護者のケアプラン作成はできません

要支援のケアプラン作成を行うこともあるのですが、要支援の基本窓口は地域包括支援センターです。

そのため、居宅介護支援事業所が要支援のケアプラン作成を行うということは、地域包括支援センターからの委託で行うということになります。

といっても、本人に直接影響があるのは、担当者会議には担当ケアマネジャーだけでなく、地域包括支援センターの職員も同席する必要があるという点くらいです(後の問題は請求関係とかなので事業所同士の問題)。

もう一つは、地域包括支援センターは相談に関しては高齢者のことであれば、ほぼ全ての相談に応じますが、居宅介護支援事業所は介護保険に関すること以外は相談に応じてもらえないことの方が多いです。

まとめ

  • 地域包括支援センターは全国にあり、担当区域が分かれている
  • 高齢者の相談は全般受付!各種専門職がいる総合相談窓口
  • 相談は無料で何度でもOK
  • 介護保険の申請代行、事業対象者・要支援者のケアプランの作成をしている
  • 何歳になっても住みやすい地域をつくるお手伝いをしている

地域包括支援センターは基本的に何でも相談にのってくれます。が、何でも屋ではありません

これはケアマネジャーにも言えることですが、担当のケアマネジャーがなんでもしてくれるわけではありません

その人が在宅で生活ができるように支援を行うことが地域包括支援センターの役割ですが、例えば病院に連れて行ってもらいたいなどタクシー代わりに使うことはできません(やむを得ない事情があるなら状況次第ですが)。

華iro

これは実際にあった事例です。断ったら激高されたことがあります。

とは言え、介護のことなど何もわからない。誰かに相談したい。という場合は迷わず連絡してみて下さい。

一人で抱え込まずにまず相談してみましょう。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

地域包括支援センターの役割

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