難病母と30代シングルマザーの介護日記:介護の始まり~同居を決意~

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1度は同居したが…

本格的な介護が始まったのは丁度4年前

それまでも肺炎をこじらせて、何度か入院したことはあったが一人暮らしをしていた。

私も当時は離婚したばかりで、仕事と育児とで追われていたこともあり、入院時以外はあまり訪問することもなかった。

というのも、結婚当初同居していたのだが、母と元主人との折り合いが悪かったこと(一方的に母が嫌っていたようなもの)、私への過干渉に耐えきれずわずか1年で同居を解消した。

嫁を虐める姑のような感じで、当時元主人にはだいぶ肩身の狭い思いをさせてしまった。

同時に、「やっぱり母は何も変わっていない。昔のままだ」と思った。

卵を溶いている私に「こんなことも知らないの?」と言われた時は絶句したけれど(母の好む溶き方ではなかったらしい)。

そもそもだが、母に料理を教わったことは1度もない

母は全部完璧だったものね。

お手伝いは「邪魔だから」と言ってさせてもらえなかった。

それでも私も大学からしばらくは1人暮らしをしていたのだから、それなりに料理も作っていた。

全て気に入らなかったようだけれど(母は自分の味じゃないと駄目+創作料理が嫌い)。

他にも上げればきりがない。

何を期待していたのだろう。

しばらく離れて暮らしていたから忘れていた。

同居を解消して

別居してからは母とはそれなりに会っていたし、やはり離れて暮らした方がお互い良いのだろうと思っていた。

合鍵を欲しいと言われた時にはすごーく嫌だったけれど(いない時に勝手に入られそうだったから)。

しかし、徐々に体調は悪化

4年前には1年間に2回のスパンで入院するようになっていた。

酸素が足りなくなり、とうとうHOT(在宅酸素療法)が開始されることになった。

同時に入院中、介護保険も申請した。

介護保険の認定に関してはこちら☟

しかし、その時の結果は要支援1だった。

今思えば当たり前の結果だったろうと思う。

酸素はつけているものの、自分でなんでも出来ていたから。

しかし、今は良くても回復の見込みがないのだから、状態は悪化する一方。

重症の肺炎を起こせば命に関わるし、介護度も今後上がっていくだろうというのが医師の見解だった。

そこからまたしても同居の話が出始めた。

同居するか否か

本当は同居する気はなかった。

婚姻時に同居したことで、幼い頃の記憶が蘇ったから。

退院が目前になり、在宅でいくか施設に入るかという話を病院のソーシャルワーカーとした。

「正直まだ私は同居したくないです」

ソーシャルワーカーに言った。

ソーシャルワーカー「でも本人は娘さんと同居されることを望んでいらっしゃいますよ。それに介護度より医療度が高いので、入れる施設は現時点では中々ないです」

心の声:うん…そうだよね。わかってますとも。

と言いたかったけれど、言葉を飲み込んだ。

現状施設が難しいのはわかっていたし、何よりまだ一人暮らしで行けるのではないかと思っていたから。

ソーシャルワーカー「とりあえずお母様とよくお話しされて下さい」

と言われて、母の病室へ行った。

「もうすぐ退院みたい。在宅か施設かって話をしてきたよ」

「え?施設なんか絶対入らないわよ。一緒に住んでくれるんでしょう?」

心の声:???いつ私が一緒に暮らすと言ったのかしら?

「私がいた方がゆめ(私の娘)も喜ぶだろうし、あなたも楽でしょ?」

心の声:え?何が?今から介護することがわかってるのに何が楽なの?

私「楽ではないと思うけど。仕事あるし。じゃあ私が仕事の時ゆめの面倒見てくれたりするの?」

「見れるわけないじゃない。面倒見るのはあなたの仕事でしょ。」

心の声:うん、わかるよ。確かに私の仕事なのだけれど。ただその言い方はないんじゃない?それなのに何が楽なの。

「まぁそうだけど。」

「とにかく施設は嫌よ。私を捨てるわけじゃないわよね?」

心の声:いやいや、施設=捨てられるじゃないでしょ。って何言っても無駄か。

「一人じゃ無理なの?買い物は私手伝うし。」

「こんな酸素つけてる私を一人にしておくの?」

心の声:まぁ本人キツイだろうけど、まだ1Lとかだし自分で出来てるし。

「でもまだ動けるじゃない。私とゆめ来たら部屋狭くなるよ」

「そんなの大丈夫よ。明日ゆめ連れてきて。聞いてみるから」

心の声:そりゃ一緒に暮らしたいって言うに決まってるじゃん…

「わかったよ」

とりあえず話を切り上げ、次の日にゆめを連れて行くことにした。

次の日

私はゆめを母の病室へ連れて行った。

私が話をする前に

「ゆめちゃんはおばあちゃんと暮らしたいよね?」

開口一番母がこう言った。

ゆめ「え!おばあちゃんと一緒に?暮らせるの??暮らしたい!」

心の声:まだ私何も話してないけど…でもそりゃそうだよね。私と2人より母と一緒の方がこの子のためには良いのか…

色々な思いがグルグル回ったが、ゆめのことを考えるとそうした方が良いかもと思えた。

父親がいない分寂しい思いをさせているし、この子のためになるなら…

「俺がいなくなったら母さんを頼むよ」

父の言葉が頭を過った。

もう父はいないし、私には近くに身寄りがいない

母の親戚は飛行機を利用しないと行けない距離。

父方の親戚とは父が亡くなってから母がモメた(現在も祖母の相続で協議中)ので絶縁状態。

ゆめには母と私しかいないんだ。

そう思うと、とても申し訳なく思った。

ゆめがいれば大丈夫かもしれない…

そんな淡い期待を抱いた。

不安は拭えなかったが、介護が必要になれば母も少しは変わるかもと思い、同居を決意した。

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