難病母と30代シングルマザーの介護日記:介護の始まり~最初の難問~

ダブルケアラーの介護日記

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部屋

最初の難問は部屋の狭さだった。

現在の住まいは3LDKのファミリータイプの分譲マンションで、極端に狭いわけではない。

このマンションは同居する1年程前、私名義で買った。

入退院を繰り返すようになり、

「終の棲家が賃貸じゃ嫌だ」

と言う理由で。

現金で買うよりローンを組んだ方が、節税にもなるし良いだろうと言うこと、将来的には私とゆめ(娘)が住むことができるから良いだろうということで、私がローンを組むことになった。

元々母1人のつもりだったし、私とゆめが住むことになっても2人だから、十分だろうと思っていた。

しかし、母と3人となると話は別。

母はとにかく物が多い

片付けられないわけではないので、散らかってはいないのだが、物が多すぎるため部屋が極端に狭い

物を捨てられないのだ。

そして、壊れてもいないのにすぐ新しい物を買おうとする。

でも買って捨てるということをしないので、どんどん物が溜まっていく。

また、部屋と家具の大きさが合っていないのも、大きな要因だった。

実家は田舎の古い家で広かったため、何もかもが基本より大きかった。

20帖以上のLD(リビングダイニング)に置いてあったダイニングテーブルを15帖のLDに置いたらどうなるか?

お察しの通り、歩く面積が少ない

同じように食器棚などの古い大型の家具が、敷き詰められるように置いてあるのだ。

1部屋だけは私たちが来た時の寝るスペースとして開けていたので、そこに私と娘の荷物をほぼ入れることになった。

引っ越しに合わせて、私は自分の荷物をほぼ処分してきた。

私自身はあまり物を持たないため、ほとんどがゆめの物だった。

しかし、1部屋1部屋が6帖ないのでベッドだけでいっぱいいっぱい。

結局おもちゃなどはリビング横の和室に置くことになったのだが…

おもちゃを置かせてもらえない

ここで問題勃発。

母が「おもちゃが邪魔だ」と言い出した。

「寝る部屋に置きなさい」と。

「いやいや、ダブルベッドだけでいっぱいいっぱいなのにおもちゃ置くスペースないよ…」

どうも、おもちゃがリビングから見えるのが嫌らしい。

「大半はリビングにいるのだし、ゆめだって遊ぶ度に寝る部屋からおもちゃを持ってくるのは大変でしょ。

片付けるのが嫌になっちゃうよ」

「じゃああなたが毎回片付ければ良いじゃない」

…はい?

「それじゃゆめが自分で片付けしなくなるじゃない」

「何言ってるの、親が片付けるのが当たり前でしょ。私だって毎回片付けてたんだから」

「子供の頃から習慣づけなきゃ、片付け苦手になっちゃうよ」

「そんなことないわよ、大人になったらみんなするでしょ」

「…」

保育園でも使った物は自分で片付けましょうって習うのに、それを家で習慣づけなくてどうするんだ…

現に私は片付けが得意ではない

昔から片付けを教えてもらってないから本気で片付け方、いわゆる整理整頓のやり方がわからなかった

そのため、学校の机の中は物をそのまま入れることしかできず、いつもぐちゃぐちゃだった。

もちろん全てが親の責任とは言わない

何も言われなくてもきちんと片付けができる子もいるのだろう。

しかし、自分が教えてもらわなかったから、ゆめには片付ける癖をつけてあげられるよう、できる限りのことをしてあげたかった。

「私片付け苦手だから、ゆめにはそうなってもらいたくない」

「あなたはズボラだからね」

イラっ

「私お母さんに教えてもらったことないもの」

「そんなの教えなくてもできるでしょう普通は」

あー駄目だ。

これ以上話してると怒りそう。

「もういいわ。でもどの道おもちゃは置くところないからここに置くよ」

「じゃあ何か収納ラックでも買ってきて。見えないようにして」

また物を増やす気?ある物で十分なのに…でもそんなこと言ったらまた怒り出すな。

「…わかった」

結局私が折れる形になり、収納ラックを買うことになった。

そもそも幼児と一緒に住むのに、おもちゃを見えないようにしてってどういうことよ…

モヤモヤしながら部屋を後にした。

収納を買いにきたが…

後日、収納ラックをゆめと母も一緒に買いに行った。

「どんなのを買うのか見る」

と言って。

そこで白とピンクの可愛いらしいラックを見つけた。

ゆめ「ママ、これ可愛い!ゆめこれが良い!」

ゆめは気に入ったようだった。でも…

「そんなの駄目よ。リビングの色合いに合わないからこっちにしなさい」

と言って母が指指したのは茶色の大人向けの物だった。

ゆめ「え~…」

「どうせ大きくなったらピンクなんて子供っぽくて嫌になるわよ」

「ちょっと、ゆめがこっちが良いって言ってるんだからいいじゃない。沢山入るし」

「駄目。こっちじゃなきゃリビングに置かせないわよ」

ゆめ「じゃあこっちでいいよ。おもちゃリビングに置きたい」

「そうよ、ゆめは良い子ね」

何も言えない自分に腹立たしかった。

なぜ私が買う物にここまでケチをつけられなければいけないのか

なぜ娘より母の希望を優先しなければいけないのか?

「ゆめ…ごめんね…」

ゆめ「ううん、おばあちゃんがこっちが良いって言うんだからこっちにする」

ゆめがいれば大丈夫…そう思っていたのは甘かったのかもしれない。

この後も、結局母の希望通りにしなければいけない現実を、少しづつ感じていくことになる。

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