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今回はちょっと番外編です。
今までデメリット、ネガティブなことばかり書いていますが、同居して全くメリットがないわけではありません。
金銭的余裕と本人の自由。
これこそ在宅介護のメリットです。
では家族は?
同居する家族はどうなのでしょうね…
生活費が抑えられる
在宅介護のメリットは、なんといっても生活費が抑えられる点です。
施設に入所する場合は、特養(特別養護老人ホーム)以外はほぼ年金のみでは賄えない場合が多いです。
よほど年金が多い方は別ですが、国民年金のみの方は不可能に近い…
有料老人ホームですと、地方でも月に20万以上かかるところはザラにあります。
サ高住などは安く抑えられますが、要介護度が高くなると現実的ではありません。
自分で身の回りのことができなければ、結局ヘルパーさんなどのサービスに頼るしかないからです。
特に母の場合はHOT(在宅酸素)を利用しているので、施設でも受け入れてくれるところは限られるでしょう。
まあそれ以前に母が断固拒否なので意味ないのですが…
入居金もピンキリです。
大都市と地方ではだいぶ差がありますけどね…
お金の観点だけでも入所したけど嫌だから出ていくということは、あまり現実的ではありません。
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また、シングルマザーの私にとってもメリットがあります。
同居することで、私たちの生活費も折半できるので有難いことではあります。
しかし、介護の必要がなければ私は一緒に暮らそうとは思わなかったとは思います。
お金のことよりも、精神的な安定が欲しかったから…
私は、介護が必要で親と同居するということは、よほど今までの関係が良くなければ上手くいかないと思っています。
認知症の方の介護は尚更です。
性格が変わってしまう方もいますからね…
あくまで主観ですので悪しからず。
話が反れましたが、以上のように在宅介護には金銭的なメリットが1番だと言えます。
本人は自由。家族は自由がない
不思議なもので、在宅介護は本人がわがままは言えるけれど、家族は言えないという図式が成り立ちます。
あくまで我が家の場合です。
病院とか施設だと色々制限がありますよね?
当たり前です。
他人との共同生活ですから。
しかし、家は自由です。
あれ食べたい、これ食べたいと言ったら出てきます。
施設ですと、お昼ご飯がうどんが食べたいからと言っても、献立は決まっています。
あれ買ってきてと言えば買ってきます。
これしてと言えばします。
スマホがおかしいと言えば直します。
気に入らなかったら文句を言えます。
看護師さんや職員さんには文句言えませんよね?
家族だから遠慮はありません。
特に母は容赦ないです笑
身体が動かなくても、頭はわりとしっかりしているのでよく喋ります。
そのため、私は母の手足のように動かなければなりません。
どうでしょう?
母は病院や施設にいるより生き生きしています。
反対に私と娘は中々外出もできません。
「長生きする秘訣は、嫌なことをしないこと。わがままになること」
そんなことを言う方がいますが、それはあくまで元気な人。
介護の人がそうなると、しわ寄せがくるのは家族です。
介護の期間が長くなると、介護者の気持ちも変わってくる
私も初めからこのようにネガティブなことばかり思っていたわけではありません。
初めは、
「望むことはできるだけ叶えてあげたい」
本気でそう思っていました。
何を言われても、
「病気だから仕方ない、1番辛いのは本人だから」
そう思って我慢していました。
元々医師からは
「後1年持つかどうかわからない」
と言われていたからですね。
4年前に笑
長く生きてくれていることは喜ばしいことです。
いなくなってほしいとは思いません。
しかし、漠然とした不安はいつも付きまとっています。
「いつまでこの状況が続くのだろう…」
母は少しずつ悪くなってきています。
それに伴って介護の手間も上がってきました。
そして、今より良くなることは決してない…
介護度が上がるにつれて、要求も多くなる。
次第に
「この先ずっとこの状況が続くなら、もう我慢できない」
そう思うようになりました。
「なぜわかってくれないのか?」
という思いが頭から離れません。
結局これら全て母に対する期待だったんですよね。
「母に変わってほしい。認めてもらいたい」
きっとそんな気持ちが私の中であったんだと思います。
幼少期から母に認めてもらえなかったと思っていた私は、ずっと母に期待していたのでしょう。
しかし、それは無駄なことだと感じたのです。
決定的な出来事
以前、母の日にこんなことがありました。
何を送っても気に入らないと「いらない」と平気で言えるような母でしたが、それでも
「これが最後かもしれない」
という思いでミニ胡蝶蘭の鉢植えを買って帰りました。
昔から花が好きだったので、喜ぶだろうと娘と一緒に選んで買った物です。
しかし、買ってきた物を見ての母の一声は
「こんなの買ってきてもったいない。患者に鉢植えなんてありえない」
でした。
あまりのショックに言葉が出ませんでした。
丁度3日後に医師の往診予定だったのですが、母の言い分としては
「その時に先生が鉢植えを見たらどう思うか。患者に鉢植えなんて常識がないと思われる」
と言うものでした。
勿論鉢植えがお見舞いに適さないことは知っています。
仮に入院していたとしたら送ることはなかったでしょう。
しかし、家にいる母に送って何が問題なのか…
私には到底理解できませんでした。
何より私と娘がどう思うかより、医師がどう思うかの方が気になるなんて…
その時に思いました。
期待するから裏切られた気持ちになる。
もうすぐ80歳近い高齢者に変わってもらいたいなんて思っていた私が愚かだったと気づきました。
それ以来、私は喜ぶかなと思って何かをすることを止めました。
そんな私を母は
「気が利かない」
と言いますが、それで良いと思っています。
頼まれたことをするのがキツイ時は「無理」と言うようになりました。
どんどん自分が冷たくなっていくのがわかります。
今更施設とは考えませんが、今後のことを思うとまだまだ気が重いです。
果たして母はこれで幸せなのか?
入院している時の方が、色々することも苦ではなかったし優しくもできていたのに…
初めから施設に入所していれば、こんな思いもお互いしなくて良かったのではないか。
どれだけ考えても今となっては「たられば」でしかありません。
金銭の余裕を取るか、精神的な安定を取るか…
今から在宅介護を考えている方は、よく考えてもらいたいと思います。
介護は終わりが見えません。
だからこそ不安で辛い。
しかし、家族が壊れてしまっては意味がありません。
そうしたら本人は在宅で暮らすことができないのですから…
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コメント
コメント一覧 (2件)
友達がお父さんの介護で初めは自宅介護だったんですが、結局施設にして凄く精神的にラクになったと言ってました。うちのばあちゃんも自分では「いつかどこかの施設に入る」と言ってるけど、病院の治療は完全拒否だし、共同生活できると思えない。介護で1番大変なのは自分の時間がとられてしまうことですよね。私はまだ祖母なので間にワンクッション母がいますが、母が1人で介護しているのは見ていて限界を感じました。しかもまだ働いているし。そしてその母も介護の為、仕事を辞める方向で今動いています。本当に周りの助けがないと自宅介護は大変です。華iroさんを心から尊敬します。優しくできない時があっても良いと思います。よく私の母が「自分を1番大切にして」と言うのですが、私が介護の手伝いをしてて、関節が痛いとか、舌先が痛いとか(←昔からなんだけど)言うと、本当に煩いんですよね。とにかく自分を大事にして!!病院行って!!と。自分が(心も体も)元気でないと周りも大事にできないから無理しないで!!って事らしいです。介護に育児に仕事に家事に追われてそんな時間ないって言ったんですけど「優先順位、自分を1番にすれば時間はできる」と言われまして。1番忙しそうな人がよく言うなぁって思ったけど、私は華iroさんにも自分を1番に大事にして欲しいなぁと思うので、、うまく言えないんですけど、、、。無理しないで欲しいです。うちの母はばあちゃんと頻繁に喧嘩して言いたい放題やってます。疲れた時はご飯なんて買えば良いし、掃除はしなくても生きていける精神です。母を見る娘としては、母が元気で楽しそうでいてくれるのが1番嬉しいです。ずっと母1人子1人で頑張ってくれた母なので、もっとラクして欲しいくらいです。華iroさんとウチの母じゃ全然歳が違うから一緒にするのも失礼なのですが、いつも華iroさんの娘さんは誇らしいだろうなぁと思いますし、そして1番心配しているだろうなぁと思います。
ブログのコメントに感想書こうか、Twitterにしようか迷ったのですが、こちらに書かせて頂きました。書いてみたかったし^_^長文失礼しました。
m&
安藤まりさん
コメントありがとうございます。お返事が遅くなり申し訳ありません。
いつもTwitterで励まして頂いて、とても有難いです。
お母様はお仕事を続けられながら介護されているのですね。とても尊敬します。
m&さんがご飯を作ってくれているのも、お母様はとても助かっていると思います。
とてもお母様のことを心配されているのが伝わってきました。
自分を大切にして。お母様にこそお伝えしたい言葉ではありますが、m&さんのことが心配なのでしょうね。その気持ちもわかります。
でもお母様にも休んで頂きたいですね。
私は介護離職してしまいましたが、お母様にはしてもらいたくないと思います。要らないお世話かもしれませんが…
お歳はお母様とはだいぶ違うかもしれませんが、長年介護を頑張られているお母様は本当に凄いと思います。
そして、支えているm&さんも凄いです。
m&さんもあまりご無理されませんように…
またTwitter楽しみにしています^^ありがとうございました。